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飛澤龍神
寧日の暮れかぬる空ありにけり
句:松浦靖子
安食孫四郎
月白や庭木の影も重なりて
句:佐藤博子
吉久保絢子
繊月やひとの運命の変えがたく
句:井坂宏
石岡かつ子
女人高野の塔くっきりと望の月
句:川村洋子
岩田令子
一葉も見し十六夜を吾もみむ
句:小嶋弥生
白石繁馬
湖ひそと光り十六夜と深くゐる
句:中田たみお
上田広
錦繍を脱ぎし嬬娥の素肌かな
句:高橋薫
常陸美智子
春満月羞らふごとく紅仄か
句:杉崎邦子
木内英文
月光や華やいでゐる夜半の街
句:杉山良子
戸﨑靖子
悠久の水の流れや月おぼろ
句:高杉桂子
佐藤壽子
旅人も駱駝も仰ぐ星月夜
句:佐藤一星
浜中利夫
満月の夜に見る夢にある不安
冨田四郎
満月を仰げば心円くなる
句:古郡孝之
上妻静枝
村雨の上がりて淡き夏の月
山田由子
いくたびも月にのけぞり風の盆
小松志津江
観世音の大笑面や夏の月
長尾としお
凩や水面に映ゆる月砕く
句:菊池熱海
鯉渕信子
春月を挙げて万朶の大樹かな
角本邦久
混沌の世ゆゑ静寂音と花と
句:羽鳥つねを
田口昭三
朧夜の虚空に重みある如し
山内規雄
残酷な愛のありやう二日月
句:永野宙
川里智子
テーマ:月
独り居の神籠る頃後の月
句:山口みはる
茅根光枝
月の精呼びよす丘の木々の霊
中村勝代
精霊も寝静まりたる星月夜
句:村田由美子
中井緋紗子
紅しだれ百花繚乱華やげる
句:大高霧海
古谷千恵子
夜汽車行くイーハトーブの星月夜
句:菊池惠海
森田文子
誘ふは月のおぼろと夜の風
句:武田喜代子
和島裕子
月白や華燭の卓の銀食器
句:千葉日出代
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